5月09日の怠惰
ある日のこと、海辺を歩いていると、子ども達が、捕えたアメフラシを、いじめておりましたので、
「おやおや、なんて可哀相なことを。。。放しておあげなさい」
と、私は、助けたアメフラシを、海の中へ、逃してあげました。
その夜のことです。
トントントントン。ノックの音がするので、
「はて、こんな夜更けにいったい誰が?」と訝りつつも玄関の戸をあけてみると、
そこには、妙齢の、眉目麗しき、女が、ひとり。
「わたしは、昼間の、アメフラシです。助けていただいた、恩返しにやってまいりました」
「えっ?!お、恩返しって、いったい?」
女は、戸惑う私の胸に崩れるようにしな垂れかかると、熱を帯びた眼差しで、
「あなたの…好きにして…かまわないのよ…」 と。
そして、その夜、私は……
絵にも描けないほどの、なんともはや、あやしいまでに、ナマメカシイ一夜を、過ごしたので、あります。
めでたしめでたし。
by nekomajiro
| 2009-05-09 08:38
| VQ5090