怠惰の坩堝

9月30日の怠惰


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七分は森の中を越したろうと思ふ処で天窓の上らしかった樹の枝からぼったりと落ち留まったものがある。見ると海鼠を裂いたような目も口もない者じゃが動物には違いない。不気味で投げ出そうとするとずるるとすべって指の先へ吸い付いてぶらりと下がった。

「うわぁ!此奴は、蛭じゃ!人の生血をしたたかに吸い込む蛭じゃ!蛭じゃ!蛭じゃ!血吸い蛭じゃっ!」

                                                                  泉鏡花著 高野聖より



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by nekomajiro | 2009-09-30 19:30 | VQ1015 ENTRY